プレゼン審査とは
成長加速化補助金は、書類審査(1次)を通過した企業が対象となるプレゼンテーション審査(2次審査)が必須です。これは他の補助金(ものづくり補助金・IT導入補助金等)にはない特徴で、経営者自らが審査委員の前で事業の成長ビジョンと投資計画を直接プレゼンします。
プレゼン審査の意義
補助上限5億円という大規模な公的資金の投入について、経営者自身の覚悟・実行力・ビジョンを直接評価するのがプレゼン審査の目的です。書類だけでは伝えられない「人・企業の本質」を見る場です。
プレゼン審査の流れ
| フェーズ | 内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| プレゼンテーション | 申請企業によるプレゼン | 15〜20分程度 |
| 質疑応答 | 審査委員からの質問・回答 | 10〜15分程度 |
審査委員は複数名(産業界・金融・学識経験者等)で構成されます。プレゼンは代表者が行うことが原則ですが、事業担当役員が同席することも認められる場合があります(公募要領で確認)。
プレゼン資料の構成・作り方
プレゼン資料はスライド形式が一般的です。審査官が最も重視する「経営力・波及効果・実現可能性」の3つの観点に沿った構成にすることが重要です。
推奨スライド構成(15〜20分版)
- ①表紙(1枚):会社名・代表者名・事業タイトル・現在売上高・目標売上高
- ②会社概要・現状(2〜3枚):事業内容・強み・直近5年の業績推移・現在の課題
- ③100億円成長戦略(3〜4枚):なぜ100億円を目指すか・市場環境・成長機会・競合優位性
- ④補助金を活用した投資計画(3〜4枚):投資内容・期待効果(数値)・投資と成長戦略の関係
- ⑤波及効果(1〜2枚):地域・業界・取引先への貢献の具体的内容
- ⑥実施体制・スケジュール(2枚):実行体制・工程表・資金調達計画
- ⑦リスクと対応(1枚):想定リスクとその対応策
- ⑧まとめ(1枚):補助金採択後に実現したい世界・社会へのコミットメント
資料作成のポイント
- 1スライド1メッセージ:文字を詰め込まず、1枚のスライドで伝えたいことを1つに絞る
- グラフ・図表を活用:売上推移・市場規模・工程表はグラフや図で視覚的に示す
- 数値は具体的に:「大幅増加」ではなく「3年後に売上高〇〇億円(現在比○○%増)」と記載
- 審査の3本柱を意識した構成:各スライドが「経営力」「波及効果」「実現可能性」のどれに対応するかを意識する
質疑応答の対策
プレゼン後の質疑応答は採否を大きく左右する重要な場面です。事前に想定質問を準備し、代表者が答えられるよう練習しておくことが必須です。
よくある審査委員からの質問
- 「なぜ今この投資をするのか。なぜ補助金なしではできないのか」
- 「100億円の達成時期を〇年としているが、その根拠を具体的に教えてください」
- 「競合他社が同様の設備投資をした場合、御社の優位性はどこにありますか」
- 「資金調達計画の金融機関とはすでに話し合いをしていますか。融資の見通しはどうですか」
- 「24ヶ月以内に完了させる計画ですが、建設・納品の遅延リスクをどう考えていますか」
- 「賃上げ要件の達成見込みを教えてください。現在の平均賃金と計画後の水準は?」
質疑応答で好印象を与えるコツ
- 知らないことは正直に言う:「現時点では調査中ですが〇〇の方向で確認します」という誠実な回答が信頼感を生む
- 数値で答える準備をする:「増えます」ではなく「現在○○人→採択後3年で○○人を採用予定」
- 代表者が中心に答える:同席者に頼りすぎず、経営者としての意思決定・覚悟を示す
- 反論より受け入れ:審査委員の指摘に対して反論するのではなく、「おっしゃる通りのリスクがあります。その対応として〜」というスタンスが効果的
当日の準備と注意事項
プレゼン当日に向けた準備事項と注意事項をまとめます。
当日までの準備スケジュール
| 時期 | 準備内容 |
|---|---|
| 4〜6週間前 | プレゼン資料の初稿作成・事業計画書との整合性確認 |
| 3〜4週間前 | 社内での模擬プレゼン実施・質疑応答の練習 |
| 2〜3週間前 | 外部専門家(認定支援機関等)へのレビュー依頼・修正 |
| 1〜2週間前 | 本番と同じ環境での通し練習(時間計測含む) |
| 前日 | 会場・交通手段の確認、プレゼン機材の確認、体調管理 |
失敗パターンと対策
- 時間オーバー:練習での計測不足。本番は必ず時間内に収まるよう調整を
- 資料の読み上げ:スライドの文字を棒読みするだけでは熱意が伝わらない。資料は補助資料と割り切り、語りかけるように話す
- 担当者依存:経営者ではなく担当部長・コンサルが主に話す構図は印象が悪い。経営者が主役であることを意識する
- 数値の不一致:申請書類とプレゼン資料の数値が食い違っていると信頼性が下がる。事前の整合性確認を徹底する
1次審査対策を含めた審査全体の戦略は審査基準・加点項目の完全解説もご覧ください。