採択事例
【2026年版】医療・介護の成長加速化補助金採択事例|リハビリ施設新設・介護ロボット導入の実例|成長加速化補助金ナビ
公開: 2026年3月17日
更新: 2026年3月17日
読了目安: 3分
企業概要:介護事業者・医療法人ケアプラス(売上18億円)
医療法人ケアプラス(大阪府堺市、スタッフ280名)は、通所リハビリ・特別養護老人ホーム・訪問介護を運営する複合型介護事業者です。大阪府内に8施設を展開し、2025年度の売上高は約18億円。高齢化の進展で需要は旺盛ですが、介護スタッフ不足と施設の収容能力限界により、入居待機者が常時100名以上いる状況でした。
| 項目 | 申請時点の状況 |
| 売上高 | 約18億円(前期比+6%) |
| 施設数 | 8施設(通所リハビリ4、特養2、訪問介護事業所2) |
| スタッフ数 | 280名(介護福祉士・看護師・リハビリ専門職含む) |
| 入居待機者 | 常時100名超(需要過多の状態) |
| 主要課題 | 介護スタッフ不足・リハビリ施設の収容能力限界・腰痛等の職業病リスク |
医療・介護業界と成長加速化補助金の適用範囲
医療法人・社会福祉法人は一般的に補助金対象外とされる場合がありますが、介護関連事業を運営する株式会社・有限会社形態の企業は対象となります。また、医療法人が経営するグループ企業(サービス付き高齢者向け住宅の運営会社等)が申請するケースも増えています。申請前に法人形態と事業区分を確認してください。
課題と投資の背景:介護人材不足とリハビリ需要の急増
ケアプラスが投資を決断した背景には、「需要はあるのに供給できない」という構造的課題がありました。
- 課題1:リハビリ施設の飽和 — 通所リハビリ4施設の定員(計200名/日)がほぼ満杯。新規利用者を受け入れるためには施設拡充が必須。
- 課題2:介護スタッフの腰痛問題 — 移乗介助(ベッド⇔車いす)による腰痛で年間15名が休職または退職。採用コスト・教育コストが年間3,000万円超。
- 課題3:夜間人員の限界 — 特養の夜間は最低3名体制だが、複数入居者の急変対応が困難。見守りセンサーがなく、夜間ヒヤリハットが月5件発生。
これらを解決するため、新リハビリ専用施設の新設(建物費・機械装置費)と、介護ロボット・見守りセンサーの全施設導入(機械装置費)を投資計画の柱としました。
投資内容と補助金額:総投資3億円・補助1.5億円の内訳
新施設建設とロボット・システム導入を組み合わせた計画です。
| 経費区分 | 内容 | 金額 | 補助対象 |
| 建物費 | 新リハビリ専用施設建設(鉄骨造、延床面積800m²、プール付き水中リハビリ設備) | 1億4,000万円 | 対象 |
| 機械装置費 | 介護リフト型移乗ロボット「モーションケア」12台(全施設導入) | 4,800万円 | 対象 |
| 機械装置費 | 水中リハビリ用プール設備・ウォーターウォーカー | 3,500万円 | 対象 |
| 機械装置費 | IoT見守りセンサー・転倒検知AIシステム(全室・全廊下) | 2,500万円 | 対象 |
| 機械装置費 | 排泄予測センサー(介護負担軽減)30台 | 1,200万円 | 対象 |
| ソフトウェア費 | 介護記録・ケアプラン統合AIシステム(自社専用開発) | 2,000万円 | 対象 |
| 外注費 | 施設設計・リハビリ動線設計コンサルティング | 1,500万円 | 対象 |
| 専門家経費 | 事業計画策定(中小企業診断士) | 500万円 | 対象 |
| 合計(補助対象経費) | 3億円 | 補助金1億5,000万円 |
事業計画のポイントと採択の決め手
介護・福祉事業での採択を実現した計画書の特徴を解説します。
100億宣言:介護ロボット活用の「省人化モデル」を全国展開
ケアプラスの100億宣言は、介護ロボット活用の「少人数運営モデル」を全国でFC展開するという差別化戦略を核としました。
- 2025年現在:売上18億円、大阪府内8施設
- 2028年目標:売上30億円。新施設稼働で受け入れ定員250名/日増加。関西圏15施設。
- 2030年目標:売上55億円。全国主要都市に「ロボット活用型リハビリ施設」をFC展開。「介護ロボット×リハビリ」の業界パイオニアポジション確立。
- 2033年目標:売上100億円。FC25施設(直営10施設)。介護ロボット活用コンサルティング事業で売上10億円。
「介護ロボット活用でスタッフ1人当たり担当利用者数を1.5倍にする」という具体的な省人化モデルを数値で示し、そのモデルをFC化する計画が高く評価されました。
採択の決め手:社会課題解決と経済成長の両立
介護業界の補助金申請では、社会課題解決という視点が審査評価を高めます。ケアプラスは以下の社会的価値を事業計画書に盛り込みました。
- 介護人材不足の解消:ロボット導入で腰痛退職をゼロにする計画。「年間15名の離職→3名以下」の数値目標。
- 在宅介護継続支援:リハビリ機能強化で要介護度の改善を促進。「施設入居を先送りできる期間の延長」という社会保障費削減効果も試算。
- 地域雇用の創出:新施設で30名の新規雇用(リハビリ専門職・介護士)。
介護・医療業界採択のポイント
介護・医療分野の補助金申請では、「経済成長(売上・利益)」と「社会課題解決(介護人材問題・高齢化対応)」の両面を事業計画書に織り込むことが採択率を高めます。介護ロボットの導入コスト削減効果を介護保険財政への貢献として試算するなど、公益性の高さを数値で示してください。
採択後の成果と今後の展望
2025年10月採択、2025年12月交付決定。新リハビリ施設の建設工事を2026年2月に着工し、2026年10月の開業を予定しています。
採択後の進捗
- 介護ロボット「モーションケア」:6台先行導入・運用開始。スタッフの腰痛訴え件数が月3件→0件に。
- IoT見守りセンサー:全8施設に設置完了。夜間ヒヤリハット月5件→1件に減少。
- 新リハビリ施設:基礎工事完了。2026年7月上棟予定。
- FC展開の引き合い:採択発表後、他都府県の介護事業者から「FC加盟したい」という問い合わせが12件。
この事例から学べること
- 介護・医療事業は「社会課題解決×経済成長」の両輪で事業計画を組み立てる
- 介護ロボットは「スタッフ負担軽減」だけでなく「省人化モデルのFC化」という収益化計画にまで展開する
- 腰痛退職ゼロ・夜間ヒヤリハット削減など「スタッフと利用者の安全」に関する数値目標は審査評価を高める
- 株式会社・有限会社形態の介護事業者は対象だが、医療法人・社会福祉法人は申請前に確認が必要